2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

今月みたもの(2019年6月)

ピーター・ハイアムズ『カプリコン・1』(Capricorn 1)1977年 火星に行くかと思いきや砂漠で蛇を食う。人類はほんとうに月に行ったのか、という陰謀論を下敷きにしている映画で、SF→政治サスペンス→アクションとジャンルを跨ぎながら物語は進む。なんて言…

幸福のデザイン『愛の本』

菅野仁『愛の本 他者との〈つながり〉を持て余すあなたへ』 ちくま文庫(2018年) 幸福とは何か。その具体性は異なるものの、個人ごとのある一定の条件を満たすことだと著者は言う。その条件とは、「自己充実をもたらす活動」および「他者との交流」である。…

人工生物への期待と恐れ『合成生物学の衝撃』

須田桃子『合成生物学の衝撃』 文藝春秋(2018年) 生命を「工学」する 本書は2つのパートに分けることができるだろう。そのひとつが生物学を工学化する営みのドラマである。 生物はDNA配列というプログラムでコードされたシステムで動いているということが…