今月みたもの(2019年2月)
デイミアン・チャゼル『ファースト・マン』(First Man)2018年
僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもうアポロ11号が月に行ったという話。IMAXで鑑賞。4DXにすればよかった。
冒頭から観客は狭い飛行機に押し込められ、飛行テストの真っ只中に放り出される。飛行機はとてもコントロールできる状態じゃない。
映画全体もそんな感じで、我々はニール・アームストロングの主観に押し込められ、その人生の追体験に放り込まれる。飛び立つ宇宙船の姿など、状況を俯瞰する画面はほとんどない。ニールと同様に、狭い窓から世界を見るしかない。
無理やりニールと同じ視点になるわけだが、このニールという男、冷静すぎる上に感情を表に出さない。そのため行動原理を理解できないことも多い。娘を亡くした日に流す涙、仲間の死の知らせに無意識にグラスを潰す手、家族との関係性に戸惑う目に少し共感できたかと思えば、すぐに遠くに行ってしまう。ニールの人生は、我々にはコントロール不能な飛行機のようなのだ。
そうしてたどり着いた月は、とても冷たい広がりを見せる。僕にはニールの心象風景のように見えた。国の威信とか、英雄的行為とかがあるわけではない。ニール個人の旅が、ただ淡々と描かれただけなのである。長い時間をかけ、月にぽっかり空いた穴に思い出を捨てる。一人の男の救済の物語だと理解すると、突然、ニールの人生が自分に近しいものに感じられてくるのである。
ロン・ハワード『アポロ13』(Apollo 13)1995年
アポロ11号の月着陸から約1年後に打ち上げられたアポロ13号の様子を描く。「輝かしい失敗」などと言われるこのミッション。波乱続きの状況で、果たして乗務員は地球に帰還することができるのか、というサスペンス。こちらはスッキリと英雄譚的な感動がある。
ロバート・ゼメキス『バック・トゥ・ザ・フューチャー』1985年
ロバート・ゼメキス『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』1989年
ロバート・ゼメキス『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』1990年
どれが好きかというと、PART3が好き。