私の15曲『ビートルズを聴こう』

ビートルズを聴こう - 公式録音全213曲完全ガイド (中公文庫)

 

里中哲彦・遠山修司『ビートルズを聴こう 公式音源全213曲完全ガイド』

中公文庫(2015)

  ビートルズの楽曲解説本の多くは私にとってはとっつきにくい。何年何月何日にアビィロード第何スタジオで、どの楽器でどうトラックを分けて、いくつ目のテイクを採用したという情報までいらないのである。

 本書は外国語の研究者と音楽ライター兼武道家がそれぞれ10行程度づつ各楽曲を解説してくれる。そこには前述のような情報はほとんど含まれず、録音した時のメンバーの状況、何を歌わんとした楽曲か、各演奏での聴きどころ、そして著者2人それぞれにとっての印象が語られる。私のようなライトなリスナーにはこのくらいが良い。CDを引っ張り出し、読みながら全曲を追っかけた。

 

 あとがきには、本書に関わった方が選ぶ私の好きな15曲が載せられている。これに倣って、15曲を選んでみた。

 

1. Twist And Shout

 風邪をひいていたというジョンのギリギリのシャウトが比類なくかっこいい。

2. A Hard Day's Night

 イントロの「ジャーン」から雪崩れるように心を奪われる疾走感!鼻にかかかったような声と巻くような歌い回しがイギリスのロックという感じ。

3. You've Got To Hide Your Love Away

 やさしい曲調で急に投げかけられる「ヘイ!」のアクセントが好き。

4. We Can Work It Out

 ジョンとポールの補い合うボーカルがとてもきれい。

5. Norwegian Wood (This Bird Has Flown)

 哀愁を引き立てるシタールの魅力。

6. You Won't See Me

 「ウーララ」のコーラスと、ポールのベースラインが最高。

7. Nowhere Man

 これもコーラス冴え渡る名曲。そして間奏のギター!

8. In My Life

 涙なしには聴けない郷愁の名曲。

9. Here, There And Everywhere

 ビートルズではこの曲が一番好き。適度な甘さのメロディと声。

10. For No One

 これもシンプルながら素晴らしいポールのメロディと歌。フレンチホルンが絶妙。

11. Rain

 リズム隊の演奏が素晴らしい。うねるような曲調がくせになる。

12. All You Need Is Love

 ポンキッキーズ世代としては外せない。

13. Blackbird

 コツコツ言ってるのは靴底で床を叩く音だと本書で知った。穏やかな名曲。

14. Here Comes The Sun

 東に向かう夜明けの長距離ドライブで聴いた時の思い出が美しい。

15. Two Of Us

 全アルバムを通して聴いていると"You and I have memories longer than the road that streches out ahead"の部分がより沁みる。

 

 偏聴している『Rubber Soul』からの曲が多くなった。これから歳を重ねるにつれて15曲の内容がどう変わるかが楽しみだ。