今月みたもの(2019年6月)

ピーター・ハイアムズカプリコン・1』(Capricorn 1)1977年

カプリコン・1 [Blu-ray]

 火星に行くかと思いきや砂漠で蛇を食う。人類はほんとうに月に行ったのか、という陰謀論を下敷きにしている映画で、SF→政治サスペンス→アクションとジャンルを跨ぎながら物語は進む。なんて言うとしっちゃかめっちゃかな感じだが、ちゃんとハラハラするし、キャラの強い飛行機野郎も出てくるしでめっぽう面白かった。暴走する車の主観映像の部分は、手に汗を握らざるを得ない。

 

マット・リーヴスクローバーフィールド/HAKAISHA』(Cloverfield)2008年

クローバーフィールド/HAKAISHA (字幕版)

 元カノとヨリを戻す決意をしたと思いきやNYが破壊される。巨大な怪獣に襲われる恐怖を主観で描き続ける90分。何が何だかよくわからんままに突き進み終わるジェットコースター(ex. スペースマウンテン)的な面白さでした。

 

ショーン・ペンイントゥ・ザ・ワイルド』(Into the Wild)2007年

Into the Wild / [Blu-ray] [Import]

 社会を嫌って荒野へ向かうが、社会に助けられ荒野に嫌われる。様々な人々との出会いを果たす美しい旅は、すべてを無下にして惨めに幕を閉じる。主人公は愚かな夢想家だったが、それを一笑に伏すほど私は賢いだろうか。 

 

デヴィッド・クローネンバーグヒストリー・オブ・バイオレンス』(A History of Violence)2005年

ヒストリー・オブ・バイオレンス(字幕版)

 暴力と縁を切ったつもりがそうは問屋が卸してくれない。暴力描写自体は異様に淡々とスピーディで、グロテスクで、なんの感情も乗せられない。暴力の周囲を忌避や賞賛の感情が複雑に取り巻く様子が描かれる。すごい映画でした。