今月みたもの(2018年11月)
ブライアン・シンガー『ボヘミアン・ラプソディ』(Bohemian Rhapsody)2018年
史実と違うとか、いんだよ細けえことは‼︎という映画。まず冒頭、ライブエイドの舞台に登場したフレディと一緒に、スクリーンいっぱいに広がるウェンブリーの観客を見下ろしたその瞬間になぜか泣いてしまったので、それだけで勝負は決まっているのだ。
とにかく全てを差し置いて、ラストのライブエイドの完コピ映像がすごい。そこに向けて観客側のコンディションを最高潮に持っていくために映画のストーリーがあるといっても過言ではない。大音量・大画面・高画質で、どう見てもクイーン本人にしか見えなくなってしまった人たちがパフォーマンスするわけだから最高だ。僕の観た回は応援上映ではなかったので、必死に声を押し殺し涙を流すしかなかったのだが、「レーロ」って叫びたかったし、"Redio Ga Ga"で両手を挙げたかった。みんなそうだったに違いない。
そしてエンドロールで鳴り響く"The Show Must Go On"。まんまとまた泣いた。そんな映画。
本人たちのライブはもちろんいいけど、フレディ追悼コンサートでのExtreamのこのパフォーマンスも、完全に観客を掴んでいて素晴らしい。好き。
ピーター・ハイアムズ『2010年』(2010: The Year We Make Contact)1984年
『2001年宇宙の旅』の続編。前作ほどの静謐な重厚感はなく、また未だ冷戦中だったり、衣装に時代を感じたりして未来感も薄いものの、なかなか楽しめた。特撮はしっかりしてるし、また前作より人間味もある作風だ。前作を観ておいたほうが、HALとのやりとりの緊張感が味わえる。
リュック・ベッソン『レオン』(Leon)1994年
その昔観ていたけど再見。ゲイリー・オールドマンのやばい感じがとてつもなく良いです。あの光のないイノセントな目といったら。暗殺や銃撃シーンにあまりカタストロフはないけれど、奇妙な2人の心温まる交流があればそれでいいじゃない。
スティーヴン・ホプキンス『プレデター2』(Predator 2)1990年
麻薬組織ブードゥー団に支配され荒廃したロサンゼルスに現れた狩人・プレデター!それを迎え撃つのは、ロサンゼルス市警の暴走警部補ハリガン!ああ楽しい!吹き替えで観ましょう。
ロバート・アルドリッチ『何がジェーンに起ったか?』(What Ever Happened to Baby Jane?)1962年
互いに嫉妬し合う元女優の姉妹が繰り広げる、監禁物のサイコサスペンス。妹役を演じるベティ・デイヴィスが本当に恐ろしい。頰にハート形を描くような醜悪なメイク、子役時代にとらわれながらしゃがれた声で歌い踊る姿、酒を買うために電話口で姉の口調を再現する姿にぞっとさせられる。でも真実が明らかになるラスト、陽光に照らされた海岸ではなぜか可愛らしく見える、そんな仕掛けがあるすごい映画。
トニー・スコット『アンストッパブル』(Unstoppable)2010年
コンパクトによく作られた映画。溶接工のネッドがかっこいい映画です。